3拍子揃う

先週、家族で小江戸のお祭に行ってきました。
みなさんは小江戸と聞くと川越を思い浮かべると思います。 江戸時代には花の大江戸の文化が川沿いに伝わっていって、その川沿いの発展した街を「小江戸」と呼んでいて、実は3箇所ありました。 それが、埼玉県川越市・栃木県栃木市・千葉県佐原(現在の香取市)の3つです。
佐原のお祭に行ってきたのですが、江戸の雰囲気が残っていてとても風情のある所でした。

祭囃子の太鼓といえばどこもバチで叩く小太鼓・大太鼓ですが、日本の太鼓はもう2種類あります。 能や歌舞伎で使われていてムチのようなもので叩く大鼓(おおかわ)、そして手で叩く小鼓(つづみ)で、 カッ!ポン!という音がします。この2つの楽器は音を出すのが難しいのと、楽器の管理が難しいのでほとんどの祭囃子で廃れてしまいましたが、 佐原では3種類の太鼓が揃っています。

このように、おおかわ・つづみ・たいこの3つが揃う事を「3拍子揃う」と言います。 よくスポーツニュースで「走・攻・守3拍子揃った選手」という表現をしますが、この言葉の語源は祭囃子です。

日本各地には様々な祭りがあり、どこの祭も大変手間をかけて準備をして、山車や道具などを揃えるのに莫大な費用がかかります。 最近では祭は観光資源として営利目的な部分も増えてきましたが、昔の人がそこまで苦労して祭を続けてきたのには目的があったそうです。

現代人はいつでもどこでも食べ物を買えるので収穫に対するありがたみをあまり感じませんが、 昔の人は収穫できたら涙して喜んで、全身全霊をかけて神様に感謝を捧げたそうです。
その他にも祭は農民の唯一の娯楽でした。祭は大勢の人が団結しないと執り行えないので、町民の団結力を高める意味合いもありました。 団結力が高い地区は、危機や飢饉も協力して乗り越えられたそうです。
そして祭は男女の出会いの場でもありました。小さな農村などでは血族結婚、特に兄妹での結婚がされた時代があり、問題のある子どもが大勢生まれたそうです。 各地に間引かれた子どもの魂を慰める石像があります。なるべく遠くの血と結婚させる為、祭が出会いの場にもなっていました。 不謹慎だという事で幕府が祭を禁じた例もあるそうですが、後世に元気で丈夫な子孫を残すという意味では先人の知恵だと思います。

このように祭をたどっていくと、教科書には載っていない一般市民の歴史を感じる事ができました。

みのる