サプリメントには、補足とか付録の意味があり、栄養補助食品といわれるものを指している。食生活に充足感がでて、余裕がみられるようになると、健康について不安を感じることも多くなる。手軽な健康維持の方法として、「サプリメント」が喧伝され、比較的大手の食品会社の広告も新聞紙面をにぎわせている。日本には「サプリメント」を規制する法律はない。このため関節症や変形予防に効果があるかのような記載がされている。
人が食べた物は、炭水化物はブドウ糖に、タンパク質はアミノ酸に、また脂肪は脂肪酸グリセリンに、それぞれ分解されたのち腸管で吸収される。このたんぱく質、炭水化物、脂肪にビタミン、ミネラルが加わり5大栄養素として生体の構成材料、生命の維持、エネルギー源として活用されている。
関節症に効果があるとされる『グルコサミン』は、カニやエビなどの甲羅の主成分であるキチン質の主成分であり、糖とアミノ酸(蛋白質)が多数結合した構造でできている。
またグルコサミンの一種である「ヒアルロン酸(分子量100万以上)」はグルコサミンとグルクロン酸といわれる糖類が多数結合し、関節、硝子体、皮膚、脳などに広く分布し極めて高い保水効果を持ち、鶏冠、臍帯などから良質のヒアルロン酸が分離されているが、最近では乳酸菌や連鎖球菌から、大量に生産されている。
「コンドロイチン(分子量2~5万)」もグルコサミンの一種であり、タンパク質を中心に、多くの糖類が結合した糖たんぱく質の一種である。
このように関節周辺に存在する物質は、糖とたんぱく質が結合した複雑な構造をもつ巨大分子で構成されている。
体内に吸収されるときには『グルコサミン関連物質』などの巨大分子は、アミノ酸(分子量150前後)、ブドウ糖(分子量180)、脂肪酸グリセリン(分子量280)に分解される。吸収されたのちに、体内の必要性により種々の物質に作り変えられるため、『グルコサミン』に必ず再合成される約束はない。
これらの関節に関連する物質は、20年ぐらい前から国際学会などで報告され注目を浴びてきたが、治療判定方法に疑問が示され、二重盲検法では、鎮痛効果や関節軟骨再形成、変形予防効果に疑問が示されている。
軟骨は、たとえればスポンジ状であり、血管が存在しないため、その代謝は、関節にかかる圧力の増減により行われている。このため関節運動が正常に行われていることが、関節の新陳代謝に必要である。関節機能の強化と変形の予防には、筋力強化とストレッチングが大切となる。
サプリメントの服用は、効果判定には、数か月服用して様子を見ることも必要であるが、長期の服用について学問的には、その効果については確認されてはいない。
サプリメントも『心の栄養』に対する効果はあるかもしれないが、さらに効果的であるのは、関節運動範囲の拡大と筋力トレーニングである。