腰痛を訴える患者さんのほとんどに、腹部のガス像が非常に多く観られる。しかものそのガス像は下腹部に下降しており、内臓下垂を疑わせる。また胃の下方に低下している。腰椎の写真は一般的に臥位で撮影されるため、立位ではどのくらい低下するかを診るため、立位での撮影で、腸管の位置を確認してみた。多くの人は2~3腰椎分下方にさらに落ちている。腸管のガス像は一般的には胃と大腸には存在するが、小腸には存在しない。胃が下方に、さらに大腸にガスが溜まり、腹腔内を占めるようになれば、栄養分のほとんどの吸収機能を携わる小腸は下方に圧迫され、虐げられる。

痩せて顔色が悪く、生気に欠け、女性では、さらに腸管の下方に位置する子宮や卵巣が圧迫され、生理機能も障害される。消化吸収機能が不十分な状態が続くため、腰痛の警報が発せられたと考えたい。
男性も女性も身体機能が十分に発揮されるためには、消化吸収機能の維持・向上が大変重要である。文明の進化に伴い、食べることへの努力や配慮をしなくてもよくなり、動くことが少なくなり、また動くことを嫌悪するような傾向がみられる。

動物は、本来動き回って食料を調達することで生命を維持している。動くことを忘れると動物としての機能も失われてゆく。
腹筋を強化して、内臓の下垂を予防し、できるだけ腰部に密着させることは、腰への負担を少なくし、内臓機能は強化される。大げさに言えば、人間性の回復にもつながる。男性はより活動的に、女性はより美しくなるため、腹筋を強化して内蔵機能を向上させよう。「顔色をうかがう」との言葉にもあるように、心中の機能を支えているのは、消化活動によるエネルギーの吸収・補給能力である。

腹筋の強化方法はいろいろあるが、負担が少なく、どんな人にも実行できる方法は、膝を曲げて座った座位の姿勢から、できるだけゆっくりと後方に倒れてゆく。出来れば7つぐらい数えながら床に頭部がつくようにしたい。弱いときには、後ろに倒れて頭を勢い良く床にぶつけない様なクッションなどを置く。また普段から、「へそ」を引っ込めるように注意する。筋肉は収縮しながら伸ばされる状態が、筋力強化につながる。

腹筋が強くなり、腹部内臓器が上方に押し上げられると、内臓機能も持ち上げ、おだてられて(?)働くようになり、腰痛の危険性も少なくなる。