腰痛の人の腰部のレントゲン写真を診るときに、いつも気にかかることがある。

一般に腰の写真は臥位で撮影する。腹部の管腔臓器にガスの貯留が非常に多く見られ、胃や大腸が下方に下降し、一部は骨盤腔内に侵入する。このような状態のヒトが立位を取ったときには、ガス像を含んだ臓器はさらに下降して骨盤内を占拠するようになる。胃の下降とともに、横隔膜も下に下がるため、肺での酸素への換気効率も減っている。

また大腸は腹部の外周を廻っているが、その内部が発酵したガスで満たされると、その内側に位置する栄養分を吸収する小腸は周囲から圧迫されて、十分な機能が果たせなくなり、栄養分に富んだ内容物が大腸に送り出され、さらにガスの発生源となる。とりもなおさず腹部内臓器は、全体が下垂し、さらに機能低下の状態になっている。

このような状態のヒトの半数以上は、下行結腸―直腸につながる部分にはガス像がみられない。これは発生したガスは、外部に放出されず、大腸の周囲血管から吸収されたことを意味している。大げさな言い方をすれば、大腸の中で発酵が進み産生された毒ガスが、体内に吸収処理されていることを表している。下腹部が膨らんだ腹部は地獄の餓鬼の形状であり、消化不良の典型である。

また女性では、骨盤下部に子宮と卵巣があり、これら臓器に機能も障害され、さらにいろいろな症状を発生させる。

一般的な腰痛の原因は、軸となる背骨の後ろには、背筋しか存在せず、前方に位置する腹部内臓器が下方にずれれば、ずれるほど腰部に負担となり、背筋の過重労働を引き起こし、腰痛の原因となる。腹部内臓器が正常に位置に戻すために、腹筋の強化を勧めている。

これには膝を曲げた状態で座位をとり、この姿勢から出来るだけゆっくりと後方に倒れてゆく。この方法は、腰痛の強いときからでも始められる。腹筋が強くなれば、起き上がりと倒れてゆく方法の2つでさらに強化する。さらに脚の形を立膝からあぐらに変更して腹筋運動をすれば、下腹部の腹筋の強化になり、内臓下垂が予防でき、良好な換気と栄養分の吸収・循環により体調は良好となる。

若い女性には、腹筋運動は「お金のかからない最高のエステ」ですよと話している。