自転車のサドルの位置を下げ、ハンドルの位置を高くして、背中を丸め、通りを走っている若者をよく見かける。しかし女性ではあまり見かけない。女性では背筋を伸ばして、しっかりとサドルに腰を下ろしている。骨盤の大きさなどの問題かなとも考えられるが、そればかりではないようだ。むかしバイクでは、両肘を伸ばしたスタイルが流行ったことがあった。今はその逆の姿勢である。

前屈みの姿勢では、内臓が圧迫され、肺機能はむろんのこと、胃腸などが圧迫され、消化吸収・排泄機能も障害される。換気量が少なく、消化吸収が悪くなれば、動作にも大きな影響を受ける。
ヒトの背骨は、前方に大きな内臓を抱えている。この内臓が下方に下がれば、”内臓下垂”といわれる状態となる。内臓もヒトの気持ちも、上に持ち上がっていれば、あるいは持ち上げてやれば、状態も調子もよくなってくる。内臓をおだて上げ、調子を上げるのは、腹筋の強さと、背筋の支持能力にかかっている。

外来での”腰痛”、とくに若者の腰痛は、腹筋の弱い人が多い。とりあえず腹筋を強くし、内臓下垂を防ぎ、内臓だけでも持ち上げてみてはどうだろうか。景気も内臓も持ち上げて、流れのよい世間にしてみたい。